
木下さん(仮名)30歳代、歯科衛生士歴8年、訪問歯科歴6年。
大阪市在住の木下さんは、医療法人海真会おおしまデンタルクリニックで、グループ会社の株式会社BISCUSSが運営する住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅を中心に活躍してくれいる人材です。
多いときは1日7〜8名の患者を担当する、非常にバイタリティーに溢れた歯科衛生士さん。
私も最初は不安でいっぱいだったから
木下さんが訪問歯科を始めたのは、ちょうど結婚を機に転職を考えていたタイミングだったそうです。

家庭と両立できて、自分のペースで働ける環境を探していたんです。最初は“訪問って難しそう”と思っていましたが、実際には丁寧に教えてもらえて、安心してスタートできました。
その経験があるからこそ、今は「後輩の不安を取り除いてあげたい」という想いが強いようです。
今では現場の中心的存在として、若手スタッフの指導にも携わるようになられました。
教えることは振り返ること

自分では当たり前になっていたことを“どうやって説明するか”って考えると、逆にすごく勉強になるんです。
新人がつまずくポイントを予測し、わかりやすい言葉や資料でサポート。時には一緒に行動しながら、現場での動き方を身につけてもらうようにしているそうです。

“どうしたら自信を持ってケアできるか”を一緒に考えるようにしています。
木下さんが意識しているのは、「失敗しても大丈夫」と思える環境づくり。

ミスを責められると、委縮してしまって成長が止まってしまう。だから、まず“どうしたら次につながるか”を一緒に考えるようにしています。
ミスを責めない風土をつくり、先輩・後輩の垣根を越えて、意見交換ができる関係性を育てることが、チーム全体の成長にもつながるとおっしゃっていました。
“伝える力”がケアの質を高め、“続けられる”が働き方を支える

患者さんだけでなく、介護職や看護師、家族にも“伝える力”が求められます。“○○さん、最近食事が減ってて気になってます”って伝えるだけで、施設内でのケアが変わることもあります
例えば、口腔内の変化や義歯の調整について、誰が聞いてもわかるように報告する。ちょっとした言い方ひとつで、相手の受け取り方も変わるということですね。

出産後に復帰したいっていう後輩の相談にも乗ってます。“時短勤務で戻っていいですか?”って不安そうに聞かれたこともありました。
木下さんは、自身も一度産休・育休を経験。復帰後もチームの理解とサポートで働き続けることができたと言います。

長く続けるには、“無理しない働き方”を選べることが大事。誰かの人生に寄り添う仕事だからこそ、自分の人生も大事にしてほしい。
“理想の歯科衛生士像”を目指すより“今の自分”を信じて

みんな、“こうあるべき”って思いがちだけど、患者さんは“完璧な人”より“安心できる人”を求めてると思います。
木下さんが目指しているのは、「患者さんに寄り添えて、スタッフからも頼られる存在」。

“誰かのそばにいたい”という気持ちがあれば、訪問歯科は絶対向いてます。まずは、“あなたらしさ”を大切にして欲しいです。
後輩と共に成長し、支え合う日々、そこには訪問歯科の未来を優しくつないでいく確かな力感じました。