歯科衛生士インタビュー第6回|医療法人海真会ましもデンタルクリニック

大阪市在住、川口さん(仮名)、歯科衛生士歴25年、訪問歯科歴6年。

大阪府高槻市のましもデンタルクリニックに務めるベテラン歯科衛生士の川口さん。

現在は、グループ会社の株式会社BISCUSSが運営する、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅を中心に訪問診療、週5日フルタイムで活躍していいます。

笑顔で迎えてくれるご利用者様

「今日は川口さんの日やろ?朝から楽しみにしててん」って笑顔で迎えてくださると、それだけで疲れが吹き飛びます。

そう語る川口さんは、訪問歯科歴6年のベテラン歯科衛生士。

患者から“待たれている存在”として信頼され、笑顔を生み出す彼女の原動力は何なのか。

その背景に迫ってみました。

対話から始まるケア、まずは心の距離を縮める

川口さんが訪問時に心がけているのは、「まずは笑顔で話すこと」。

いきなり口の中を触るのって、誰でもちょっと構えますよね。だから、まずは“今日どうですか?”って、日常会話から入るようにしています。

その自然なやり取りの中で、口腔内や体調の小さな変化にも気づくことができるということでした。

ありがとうの喜びを知る仕事

ある方に“あなたの笑顔が一番の薬やわ”って言っていただいたことがあって…。本当に泣きそうになりました。

日々のケアを通して、患者との信頼関係を築く中で得られる“感謝の言葉”は、川口さんにとって何よりのやりがいになっているそうです。

その一言があるから、多少しんどくても“また頑張ろう”って思えるんです。

施設スタッフとの連携

うちはスタッフさんがすごく協力的で、“今日は食事が進んでないんですよ”とか、こまめに教えてくれるんです。

その情報をもとに、口腔内の乾燥状態や義歯の状態を確認し、必要があれば歯科医師や看護師と連携。

川口さんが所属する訪問チームには、20代から50代まで幅広い年代の歯科衛生士が在籍しています。

若い子がいても、年上でも、お互いに認め合う雰囲気があるんです。私はちょっとおしゃべり多めなタイプですけど(笑)、それも“らしさ”として受け入れてもらえてる。

無理に“型にはめられない”職場環境が、川口さんにとっては何より働きやすいということでした。

人生に寄り添うケアの奥深さ

訪問現場では、患者が抱える悩みや孤独にも触れることが多いようです。

“こんなこと誰にも言えへんかったんやけど…”と、ぽつりと話し出す方もいます。私は専門職としてだけでなく、“話を聞ける人”でいたいと思っています。外来と違って、訪問は“毎回が一期一会”ではないんです。同じ方と長く関わるからこそ、深い信頼が築けるんです。

口腔ケアは、“話す・食べる・笑う”を支えるケア。
だからこそ、“心の声”に耳を傾ける姿勢が欠かせないというのが川口さんの信念だとおっしゃっていました。

ケアの技術だけでなく、関係性を大切にする姿勢が、川口さんの信頼につながっているのでしょう。

人生経験すべてが“強み”になる仕事

訪問歯科は、歯科衛生士としての技術だけじゃなく、人としての“生き方”がにじみ出る仕事やと思います。

30代、40代、50代、その時々の人生経験が、患者への共感や寄り添い方に深みを与えているのではないでしょうか。

川口さんの笑顔は、今日もまた、多くの患者にとって“安心”と“楽しみ”を届けています。